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片頭痛

 

片頭痛とは

片頭痛とは 頭痛を訴える患者さんの大部分は、自らを「頭痛もち」と思っています。この頭痛もちの頭痛の中にはいくつかの種類がありますが、最も多く、しかも悩まされるのが「片頭痛」です。
 片頭痛は頭の片側からこめかみにかけて脈打つように「ずきずき」、「がんがん」と痛み、ひどいときには日常生活が妨げられるほどの強さの痛みや、吐き気を伴うとてもつらい頭痛です。
 片頭痛は思春期頃から発症することが多く、成人の約8%が罹患しています。
 中でも女性に多く、患者さんの数は男性の約4倍といわれています。片頭痛は一生の病気であり、現在の医学では完全に治すことはできません。
 ただ、片頭痛の正しい知識を身につけ、上手に対処することで、より快適な日常生活を過ごすことができるようになります。

 

片頭痛の症状

 片頭痛はその名の通り、片側の頭痛として現れることも少なくありませんが、痛みの現れる部位が左右変動する場合や、両側が痛むが左右で差がでる場合、両側が痛む場合など痛みの種類はさまざまです。
 片頭痛は決まった片側のみに現れる頭痛ではなく、「偏った痛みがあらわれやすい」と理解していてください。 片頭痛の特徴は以下のとおりです。

  1. 脈に合致したズキンズキンとした痛みである。
  2. 痛みは頭の片側の時が多いが、両側の時もある。
  3. 頭痛は、数日〜数週間の間隔をおいて発作性に現れる。
  4. 一回の頭痛は数時間から3日で治まる。
  5. 頭痛発作の時に、悪心(吐き気)、嘔吐などを伴うことがある。
  6. 頭痛発作の時に、強い光や大きな音、不快なにおいで頭痛が強まることがある。
  7. 明け方から目覚めの時に頭痛発作が起こることが多い。
  8. 頭痛の強い部分を手で圧迫すると、その間は痛みが和らぐ。
  9. 遅くとも30歳までに発症する。
  10. 頭痛発作の時、またはその直後に下痢や発熱などの症状があらわれることがある。
  11. 血縁者の中に似たような頭痛を訴える人がいる。

 

片頭痛の種類

 片頭痛では、小児や高齢者を除いてたいていの人が頭痛のあらわれる30分から数時間前に前ぶれを感じます。片頭痛は、前兆(目の前にチカチカと光が見えたり、星が見えたりする症状:閃輝暗点)のある片頭痛と、前兆はないがなんらかの前駆症状(頸すじ・肩の張り、生あくびなど)のある片頭痛、前兆も前駆症状もまったくない片頭痛と、大きく3つに分類されます。


【前兆のある片頭痛と前兆のない片頭痛の比率】

病型
前兆のある片頭痛
前兆のない片頭痛
調査例数
なんらかの前駆症状あり
全く前駆症状なし
合計
239(14.3%)
1,162(69.3%)
275(16.4%)
1,676 (他病型、判別困難、不明:324例)

 

頭痛の検査と診断

頭痛の検査と診断 片頭痛は検査ではわかりません。患者さんからの問診と医師がもっている医学知識を照らし合わせることによって初めて正確な診断ができます。
 脳の検査として思い出すのがCTやMRIですが、これらは脳組織が破壊されるような病気については写しだすことができます。しかし、片頭痛は脳組織に異常を起こさないためこれらの検査では診断できないのです。片頭痛は脳ではなく血管が拡張することで痛みが起こるのです。
 ここで、参考までに国際頭痛学会による片頭痛診断基準を記載いたします。

【前兆を伴う片頭痛】

A.
次のBを満たす発作が過去に2回以上ある。

B.次の4項目のうち3項目を満たす。
  1. 一過性の前兆があり、脳皮質あるいは脳幹の局所神経症状と考えられる。
  2. 前兆は4分以上にわたり進展し、2種類以上の前兆が連続して生じてもよい。
  3. 前兆は60分以上持続することはない。2種類以上の前兆が組合わさるときは、その分持続時間が延長する。
  4. 頭痛は前兆後60分以内に生じる(前兆より以前あるいは同時でもよい)。

C.次のうち1項目を満たす。

  1. 臨床的に器質的疾患による頭痛を否定できる。
  2. 臨床的に器質的疾患が疑われても検査により否定できる。
  3. 器質的疾患が存在しても、経過により片頭痛との関係が否定できる。
【前兆を伴わない片頭痛】

A.
次のB〜Dを満足する発作が過去に5回以上ある。

B.頭痛発作が4〜72時間持続する。

C.次のうち、少なくとも2項目を満たす。
  1. 片側性頭痛
  2. 拍動性頭痛
  3. 中等度〜強度の痛み(日常生活が妨げられる)
  4. 階段の昇降など、日常的な動作により頭痛が憎悪する。

D.発作中、次のうち1項目を満たす。

  1. 悪心あるいは嘔吐
  2. 光過敏および音過敏

E.次のうち1項目を満たす。

  1. 臨床的に器質的疾患に頭痛を否定できる。
  2. 臨床的に器質的疾患が疑われても検査により否定できる。
  3. 器質的疾患が存在しても、経過により片頭痛との関係が否定できる。

 

片頭痛の治療法

片頭痛の治療法 片頭痛の治療法の中心は薬物療法です。現在までにわかっている範囲では薬物以外の治療法つまり物理療法、食事療法といった方法では、補助的効果は認められるものの、その効果は薬物療法を上回るものはありません。
 片頭痛の薬物療法には大きく分けて二つの方法があります。一つは頭痛発作が出たときに対処する方法で、これを頭痛抑制治療といいます。これに対し頭痛を出にくくする治療法があり、これを頭痛予防治療といいます。
 たいていの場合、頭痛抑制治療から開始し、症状が強かったり、頭痛の回数が多かったりした場合に、頭痛予防治療を追加します。
 片頭痛の予防効果が認められている薬は、抗うつ薬、βアドレナリン遮断薬、バルプロ酸、カルシウム拮抗薬などがありますが、日本ではカルシウム拮抗薬の塩酸ロメリジンが保険適応となっています。

【主な抑制薬】

薬剤分類
長所
短所
各種消炎鎮痛薬
軽症のうちに服用すると効果があります。 連用によって薬物性頭痛を招く可能性があります。また、頭痛発現後に飲んでも効果は小さいです。
エルゴタミン製剤
血管収縮作用によって動脈の拡張を抑制します。前兆や前駆症状のうちに服用すると効果があります。 血管障害、心疾患などの患者さんには使用できません。また、頭痛発現後に飲んでも効果は小さいです。
トリプタン系製剤
最も新しいタイプの片頭痛薬で、頭痛発現後の片頭痛を速やかに改善します。 血管障害、心疾患などの患者さんには使用できません。

薬にばかり頼らずに日常生活でもちょっとした工夫を

 片頭痛には種々の誘発因子があります。これらの関与の程度はさまざまですが、ちょっとした注意で片頭痛の引き金となるものを避けることができます。具体的な注意事項は次のとおりです。

  1. 空腹時に頭痛は起こりやすいので、食事は3食しっかり食べる。
  2. チョコレートや赤ワインなどの飲食物は避ける。
  3. 寝過ぎや寝不足は避ける。
  4. 月経の始まる前や月経中などに発作が集中して起こる人は、早めに予防薬を服用する。
  5. 経口避妊薬やホルモン療法で頭痛が悪化することがあるので、症状がひどい時は治療の継続を検討する。
  6. 旅行中に片頭痛が起こることが多いので、旅行中でもできるだけ普段と同じ生活のリズムで過ごすようにする。
片頭痛予防

※治療に当たっては、必ず専門医(神経内科や脳神経外科)にご相談ください。
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