トップページ > 病気事典 > 皮膚科・アレルギー科 > アトピー性皮膚炎
気になる病気の症状・原因・予防
アトピー性皮膚炎は、湿疹や皮膚のかゆみ、赤み、乾燥などが現れる病気です。
発症・悪化の要因として、食物やダニ、ハウスダストなどのアレルギーのほか、
生活習慣やストレスなどが考えられます。
アトピー性皮膚炎とは、「湿疹ができる」「皮膚がかゆくなる」「皮膚が赤みを帯びる」などの症状が現れる皮膚の病気です。激しいかゆみに耐えられずに患部をかき続けることで、症状がさらに悪化することもあります。
また、あまりのかゆさに夜寝られなくなることもあります。アトピー性皮膚炎に悩む人のなかには、皮膚の変化に多大なストレスを感じている方も少なくありません。日本皮膚科学会では、アトピー性皮膚炎を下記のように定義しています。
アトピー性皮膚炎の定義(概念)
アトピー性皮膚炎は、増悪・寛解を繰返す、そう痒のある湿疹を主病変とする疾患であり、患者の多くはアトピー素因を持つ。
(注)寛解(かんかい)=永続的・一時的を問わず、臨床的に症状や検査成績が好転または消失する状態のことを言います。
また、ここで言う「アトピー素因」とは、以下の1または2のようなものを指します。
1.に関しては、「自分自身、もしくは家族の方で、上記のようなアレルギー性の病気にかかったことがあるかどうか」ということです。
2.もやはりアレルギーを起こしやすい体質であることを意味します。このようなアトピー素因を持つ人はアトピー性皮膚炎になりやすいと言われています。
日本皮膚科学会「アトピー性皮膚炎の定義・診断基準」より
アトピー性皮膚炎の症状の代表的なものは、皮膚にできる湿疹とかゆみです。
また、症状が年齢によってそれぞれ異なるという特徴があります。
乳児期 |
|
---|---|
幼児・小児期 |
|
青年期・成人期 |
|
健康な皮膚 |
|
---|---|
アトピーの皮膚 (=ドライスキン) |
|
アトピーの皮膚(ドライスキン)では、皮膚が乾燥→アレルゲンが侵入→皮膚にかゆみを感じてかく→炎症がひどくなる→角質の水分がさらに失われ乾燥する→……というかゆみを生じる悪循環に陥ってしまい、病状を悪化させてしまうのです。
健康な皮膚とアトピーの皮膚(ドライスキン)の対比
アトピー性皮膚炎の原因としては、食物・ダニ・ハウスダストなどのアレルギーのほかに、生活習慣・ストレスなど、多くの要素があげられていますが、正確な原因はいまだに特定されていません。
日本皮膚科学会は、以下の3つの項目をアトピー性皮膚炎の診断の基準としています。
日本皮膚科学会「アトピー性皮膚炎の定義・診断基準」より
1. の「そう痒」とはかゆみのことです。
2. の「皮疹」とは皮膚にできた発疹のことをあらわします。
3. の「慢性・反復性経過」については、以下のように定義されています。
慢性 :乳児では2ヶ月以上、乳児以外では6ヶ月以上症状が続くこと
反復性:皮膚に古い発疹と新しい発疹が混在していること(=病状が反復している)
実際の診断では、上記の3項目を満たすものをアトピー性皮膚炎としています。
アトピー性皮膚炎の治療には、外用薬が主に使用されます。
外用薬の代表的なものとしては、ステロイド(副腎皮質ホルモン)があげられます。ステロイドは、副腎皮質ホルモンというもともと人間の体内にあるホルモンを化学的に合成したもので、過剰な免疫反応を抑えてくれます。副作用もありますが、すぐれた抗炎症作用を持つ薬です。「ステロイドは怖い」というイメージが一部にありますが、医師の指示に従って正しい使い方をすれば危険性は低いと言えます。ステロイド外用薬には、5段階の強さのランクがあり、それらを皮膚科専門医師が、患者さんの状況に応じて上手に使い分ければ効果的な治療が期待できます。
アトピー性皮膚炎は、強いかゆみを伴う病気です。かゆい→かく→もっとかゆくなる→さらにかく……という悪循環に陥り、病状が悪化することが多々あります。この悪循環を断ち切るために、内服薬を用いることがあります。
他の内服薬としては、漢方薬が補助的に用いられることもあります。漢方薬は一般的には副作用がないように思われがちですが、実際には副作用もあるので、漢方医学を充分にマスターした医師によって処方されるべき薬です。
アトピー性皮膚炎は、生活習慣と密接な関わりのある病気です。生活習慣や生活環境を見直すことで、アトピー性皮膚炎が劇的に改善することがあります。
ここでいくつかの例をあげてみましょう。
食物に対するアレルギーも、アトピー性皮膚炎の原因の一つと考えられます。自らのアレルゲンである食物(卵・牛乳・大豆など)を避け、アレルギー反応が起こることを未然に防いで、アトピー性皮膚炎が活発化することを抑えます。
精神的ストレスもアトピー性皮膚炎を悪化させる一因です。こうした心の問題を解決するためには、診察やカウンセリングを通じて、担当の医師とストレスや悩みなどについて話し合える関係を築くことも大切です。医師との間に信頼関係が生まれれば、体質的な面と精神的な面の両方から治療を進められるので、よりスムーズな治療が期待できます。
※治療に当たっては、必ず専門医(皮膚科)にご相談ください。
治験は本人の自由意志で参加することが出来ます。
強制ではありません。治験を途中で中止することも可能です。
(負担軽減費の例:2泊3日×2回⇒8万円)
被験者さんの診察待ち時間を短くするために、治験専門の外来診察が設置される場合があります。
治験に参加することは、病気で苦しんでいる患者さんに役立つことになり、医療の発展という社会貢献につながります。
製薬メーカーが開発した薬剤を医薬品(お薬)として世に出す為には、事前に厚生労働省の承認・認可を得ることが法律で義務化されています。
この承認を得るために行う「治療を兼ねた試験」を「治験(ちけん)」と言います。
治験は、前臨床試験で有効性や安全性を十分に確認した後に、健康な人や対象疾患の患者様に対して実施されます。
私たちが普段使う薬は全て、多くの一般の方々が治験ボランティアとして治験に参加した結果、承認されたものです。
同じ悩みを持つ多くの患者様のためにも「治験」へのご協力をお願いいたします。
治験に自発的に参加・協力していただける方を「治験ボランティア」と呼んでいます。
治験参加中は、交通費や検査等の負担を軽減する目的で、負担軽減費が支払われます。
安全性や吸収・排泄等の確認
用法・用量の確認
既存薬やプラセボ等との比較
治験を経て承認された薬が市販された後、より多くの患者様の治療で使われたときの効果や安全性を確認
PR
e治験.comは、個人情報の取り扱いが適正に行われることを認定するプライバシーマークを取得しています。