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花粉症

気になる病気の症状・原因・予防

花粉症は、くしゃみや鼻水、鼻づまり、目のかゆみなどの症状が出る前、あるいは出てからの程度に応じて、治療に用いる薬が選ばれます。減感作療法(免疫療法)や手術が行われることもあります。

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花粉症の症状

花粉症とは

花粉症とは

花粉症とは、くしゃみ、鼻水、鼻づまり、目のかゆみなどの症状を特徴とする花粉によって引き起こされるアレルギー性疾患です。原因となる花粉が飛散する時期にだけ症状が現れるため、季節性アレルギー性鼻炎ともいわれています。
『鼻アレルギー診療ガイドライン2009年版』によると、日本では約30%の人が花粉症にかかっていると推定されています。 原因となる花粉は日本国内だけで約50種類も報告されていますが、日本の花粉症患者さんの80%以上はスギ花粉が原因で発症しているといわれています。また、日本は南北に細長い国のため、飛散する花粉には地域差があります。春先、北海道では白樺花粉が多く飛散しますが、本州・四国・九州ではスギ花粉が多く飛散します。そして、初夏はイネ科の花粉、秋はブタクサの花粉といったような季節による違いもあります。
花粉症は2月~4月にかけてのみ発症するのではなく、原因となる花粉の種類によっては、夏や秋にも発症する病気です。

なぜスギ花粉症患者が急増したのか?

日本では、昭和45年頃からスギ花粉症の患者さんが徐々に増えはじめ、昭和50年代に入るとその数が急激に増加しました。
それには、日本におけるスギの植林事情が影響しています。昭和30年代に拡大造林と呼ばれる林業政策によって、日本中にスギが植林されました。この植林 されたスギが成長して花粉を産生する樹齢に達し、昭和50年代にいっせいに花粉を飛散するようになったことが、スギ花粉症患者急増の原因だといわれていま す。

花粉症の症状は

花粉症の症状

花粉症は鼻や眼に様々な症状を引き起こすことが知られていますが、それ以外にも身体の各部位に特有の症状を引き起こします。スギ花粉症の患者さんの症状を 聞いてみると、くしゃみ、鼻水、鼻づまり、眼やのどのかゆみ、咳が出る、不定愁訴(※)などの症状を訴える人が多いことがわかります。また、頭重感、頭痛、倦怠感、不眠、身体のほてり、顔のほてり、イライラ感、胃腸の具合が悪いなどきわめて多くの症状があることもわかります。
そのため、花粉が飛散する時期になると、花粉症の患者さんの中には肉体的にも精神的にも非常に意欲が低下して、日常生活(QOL)にまで支障をきたしてしまう方もいらっしゃいます。

※原因がわからない頭痛やめまい、肩こりといった不快な症状のこと

特につらい鼻と眼の症状

特につらい鼻と眼の症状

花粉症の様々な症状の中で、日常生活に特に影響を与えるのが鼻と眼の症状です。
くしゃみが10数回続けて出たり、中には1日中絶え間なく出て止まらない人もいます。そのため、腹筋や胸筋を痛めてしまうこともあります。
鼻水も、水のような鼻水が止めどなく流れ出るという感じが特徴です。また、鼻をかみすぎて、鼻の入り口が赤くただれて痛くなることもしばしばあります。
鼻づまりは、鼻の症状の中で1番つらい症状です。ただでさえ鼻の奥は狭くなっており、少しでも粘膜がはれると鼻づまりを感じるものですが、ひどい場合は両方の鼻が完全につまってしまい、全く鼻で息をすることができなくなります。そうすると必然的に口で息をしなければならなくなりますが、鼻で息をできないと夜眠れずに、睡眠不足になることもあります。また、口で息をする結果、のどがカラカラに渇くという二次的な影響も出てきます。
眼の症状としては、まずかゆくなり白眼のところやまぶたの裏も充血して赤くなり腫れぼったくなります。また、かゆいために眼をこすって結膜や角膜に傷をつけてしまい、眼がごろごろする、痛くなるといった症状も出てきます。さらには、涙が出て止まらなくなる人もいます。

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花粉症の原因

原因花粉の飛散期は大きく3つに分けられます

原因花粉の飛散期

花粉症は一般的に風に運ばれる花粉によって発症します。その花粉の飛散期によって、花粉症の原因花粉を3つに分けることができます。

分類 原因花粉 飛散期
木本植物 スギ、ヒノキ科、マツ科、カバノキ科、ブナ科、ニレ科など 2~5月
イネ科
草本植物
カモガヤ、オオアワガエリ、ナガハグサ、ホソムギ、ハルガヤなど 3~10月
雑草本植物 キク科の帰化種(ブタクサ、オオブタクサ)、キク科のヨモギ属、
クワ科のカナムグラ、イラクサ科など
8~10月

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花粉症の検査と診断

花粉症の検査

花粉症かどうかをはっきり知るためには、まず、鼻鏡検査や鼻汁細胞検査に行って、鼻や目の症状がアレルギー性のものかどうかを確認します。そのうえで、原因花粉の検査に入っていきます。

検査法 特徴
鼻鏡検査 鼻粘膜の状態を「鼻鏡」を使って直接診る検査です。正常な人の鼻粘膜はピンク色をしていますが、花粉が原因で起こる季節性の鼻アレルギーでは、初期が赤色で最盛期が蒼白色に、またダニやハウスダストが原因でおこる通年性の鼻アレルギーでは持続的に蒼白色になります。
鼻汁中好酸球検査

鼻汁中好酸球検査

鼻水を採って、顕微鏡で好酸球の数を調べます。好酸球とは炎症細胞の一つで、アレルギー性の炎症が起きると増加します。好酸球の増加が確認できたら陽性です。
皮膚反応テスト 腕の皮膚に小さな傷をつけ、そこに花粉エキスをたらしたり、注射することで皮膚の反応を調べます。15~20分後、20mm以上赤く腫れたら陽性です。
血清抗体検査RAST法 1回の採血で、血液中のIgE抗体量と、原因となっている花粉の種類を特定します。血液中にIgE抗体が存在していると陽性です。
鼻誘発テスト

鼻誘発テスト

花粉エキスなどを染み込ませた紙片を鼻の粘膜に貼り、アレルギー反応が起こるかどうかを調べます。くしゃみ発作・かゆみ、鼻粘膜の蒼白浮腫、鼻水分泌の3症状のうち2症状以上出れば陽性です。

花粉症の診断

花粉症の診断は、まず問診及び鼻鏡検査を行います。その結果花粉症が疑われたときには、鼻汁中好酸球検査、皮膚反応テスト又は血清抗体検査で原因花粉を特定し、鼻誘発テストで最終的な確定診断を行います。
しかし、特に症状の強い花粉症患者さんの場合は、鼻誘発テストを行うことが困難なため、鼻汁中好酸球検査、皮膚反応テスト又は血清抗体検査、鼻誘発テストのうち2つ以上で陽性の結果が出ると確定診断とすることができます。

問診時の確認事項

問診時の確認事項

  • 症状と花粉飛散期が一致しているかどうか
  • 鼻症状は屋内・屋外のどちらで強く現れるか
  • くしゃみは連発するか
  • 目のかゆみを伴うか
  • 鼻水は水性か膿性か
  • 花粉飛散期の晴天の日に症状が強いかどうか

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花粉症の治療法

花粉症の治療法

花粉症の治療はまず、原因花粉とできるだけ接触しないような生活をすることから始めます。そして、花粉の飛散する季節に薬物療法を行います。また、患者さんの症状によっては減感作療法や手術を行うこともあります。

日常生活の対策


規則正しい生活をしましょう
不規則な生活やストレスによって自律神経のバランスが崩れてしまうと、ちょっとした刺激でも症状が出てしまいます。生活のリズムを守って健康的に過ごしましょう。
外出時の服装
外出時に限らず、花粉症の季節の衣服はできるだけ花粉がつきにくい素材(化繊・木綿生地など)を選びましょう。これらの素材だと、付着した花粉も簡単に払い落とすことができます。 そして、外出するときは必ずマスクとメガネをしましょう。
マスクは口や鼻に入る花粉を約90%以上、メガネは目に入る花粉を1/3に減らすといわれています。また、湿らせたガーゼをマスクにはさむことで花粉防止 効果は一段とアップします。なお、湿らせたガーゼは鼻に適度な湿気を与え、粘膜を守ることにもなります。
家事
花粉は気温の高い午後に多く飛びます。掃除や洗濯はできるだけ午前中に済ませましょう。また、掃除のときにはなるべく窓を開けず、花粉が室内に入るのを防ぎましょう。
帰宅したら
家に入る前に、必ず衣服に付いた花粉を払い落としましょう。そして、目を洗う、うがい、鼻をかむことで目、鼻、のどの花粉を取り除きましょう。

花粉飛散シーズンの薬物療法

花粉症は、花粉飛散予測日や症状の出始めに開始する初期療法と、症状が現れた後、その度合いに応じて軽症、中等症、重症・最重症に分けられます。
治療は、それぞれの重症度に応じて行われます。

  1. 初期療法
    症状の出ていない花粉症の患者さんには、花粉の飛散開始日を基準としてその2週間程度前から、下記の表のステロイド薬を除く5種のどれか1つを投与する予防的治療から始めます。
  2. 軽症
    軽微な症状の場合は、第2世代抗ヒスタミン薬と点眼薬で治療します。必要であれば鼻噴霧用ステロイド薬も用います。
  3. 中等症
    くしゃみや鼻漏の症状がある場合は軽症と同様の治療となります。鼻閉がみられる場合は、それに加えてロイコトリエン受容体拮抗薬が用いられることもあります。
  4. 重症・最重症
    短期間に限り、点鼻用血管収縮薬やステロイド剤の内服が必要となることがあります。
花粉症に用いる主な薬剤
分類 特徴
ケミカルメディエーター遊離抑制薬
  • 抗ヒスタミン作用のない、アレルギー症状を起こす化学伝達物質を抑制する抗アレルギー作用をもつ薬です。
  • 花粉症のシーズン前の投与が有効です。(効果が出てくるまでに、2週間程度かかるため)
第2世代抗ヒスタミン薬
  • 抗ヒスタミン作用と抗アレルギー作用をもつ薬です
  • 眠気を伴うことは比較的少ないです。
  • 抗ヒスタミン作用は早く現れますが、抗アレルギー作用は効果が出てくるまでに約2週間かかります。
Th2サイトカイン阻害薬
  • アレルギー発症に関するサイトカインの生成を阻害する薬です。
ロイコトリエン受容体拮抗薬
  • 化学伝達物質の1つ、ロイコトリエンの作用を抑制する薬です。
プロスタグランジンD2・トロンボキサンA2受容体拮抗薬
  • トロンボキサン受容体を遮断して鼻閉を改善します。
鼻噴霧用ステロイド薬
  • くしゃみ、鼻水、鼻閉にも効果が高く、効果が出てくるまでに1~2日と即効性のある薬です。
  • 血管内へ吸収されにくく、局所で分解を受けやすいため全身投与に比べ副作用の出てくることはまれですが、鼻内刺激感、鼻内乾燥感、鼻出血などがあります。
経口ステロイド薬
  • 強力な抗炎症作用がある薬です。
  • 副作用に注意し、短期間もしくは症状がでたとき投与します。

出典:『鼻アレルギー診療ガイドライン2009年版』

シーズンに関係ない治療法

  1. 減感作療法(免疫療法)
    感作とは体の中に抗体ができるという意味で、減感作とは抗体が減ることをいいますが、この治療をして症状がよくなっても、それに応じて抗体が減りません。体の免疫状態に変化が起こるため、最近では免疫療法という言葉が多く使われます。
    花粉症シーズンの薬による治療は、薬の服用を中止すると1~2週間で薬の効果は切れてしまいます。しかし、免疫療法は中止後の効果が5~10年、またはそれ以上続くのが特徴で、現在では治癒を期待できる唯一の治療法です。
    抗原エキスを微量ずつ、間隔をあけて注射して、これを約2~3年続けると効果が現れてきます。治療が長期間にわたること、効果がすぐに現れないことが欠点ですが、免疫療法終了5年後では、治療を受けた約70%の方の症状が軽くなり、薬がほとんどいらない状態となっています。
  2. 手術
    鼻づまりの症状が薬では良くならない時は、手術をすることがあります。繰り返す発作のため鼻の粘膜がケロイドのようになってしまった人(肥厚性鼻炎)や、先天的に鼻の骨が曲がっていて鼻づまりを起こしている人(鼻中隔弯曲症)などが対象となります。
  3. 漢方療法(体質改善)
    漢方薬は、花粉症に対しては局所症状だけでなく、全身の体質改善も期待できるということで使われることがあります。具体的には、小青竜湯(ショウセイリュウトウ)、葛根湯加辛夷川(カッコントウカセンキュウシンイ)などたくさんあります。しかし、他の病気の場合と同様に花粉症の場合も、患者さん本人の 体質に合った漢方薬を処方してもらう必要があります。

※治療に当たっては、必ず専門医にご相談ください。

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花粉症の治験情報

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治験に参加するメリット

治験は本人の自由意志で参加することが出来ます。

強制ではありません。治験を途中で中止することも可能です。


  • 一般の診察より詳しい検査や診察が行われ、自分の体や病状をより詳しく知ることができます
  • 治療方法の選択肢が増え、効果の期待できる薬や最新の医療をいち早く受けることができます
  • 治験薬や検査にかかる費用の全額(または一部)を製薬会社が負担してくれます
  • 治験薬を服用している間の薬剤費が軽減される場合があります
  • 交通費などの経済的負担を軽減するため、治験期間中は一定の協力費(負担軽減費)が支給されます
  •   (負担軽減費の例:2泊3日×2回⇒8万円)


被験者さんの診察待ち時間を短くするために、治験専門の外来診察が設置される場合があります。

治験に参加することは、病気で苦しんでいる患者さんに役立つことになり、医療の発展という社会貢献につながります。

   

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治験とは?

治験とは?

製薬メーカーが開発した薬剤を医薬品(お薬)として世に出す為には、事前に厚生労働省の承認・認可を得ることが法律で義務化されています。
この承認を得るために行う「治療を兼ねた試験」を「治験(ちけん)」と言います。
治験は、前臨床試験で有効性や安全性を十分に確認した後に、健康な人や対象疾患の患者様に対して実施されます。
私たちが普段使う薬は全て、多くの一般の方々が治験ボランティアとして治験に参加した結果、承認されたものです。
同じ悩みを持つ多くの患者様のためにも「治験」へのご協力をお願いいたします。

治験ボランティアとは?

治験に自発的に参加・協力していただける方を「治験ボランティア」と呼んでいます。
治験参加中は、交通費や検査等の負担を軽減する目的で、負担軽減費が支払われます。

治験の流れ

  • 第1相試験

    健康な成人

    安全性や吸収・排泄等の確認

  • 第2相試験

    少数の患者

    用法・用量の確認

  • 第3相試験

    多数の患者

    既存薬やプラセボ等との比較

  • 製造販売後臨床試験

    より多数の患者

    治験を経て承認された薬が市販された後、より多くの患者様の治療で使われたときの効果や安全性を確認

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