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喘息

気になる病気の症状・原因・予防

咳が止まらない、呼吸が苦しいといった喘息の症状は、慢性的な気道の炎症により、気道が狭くなることで起きます。吸入ステロイド薬などを用いて、上手にコントロールすることを目標に治療します。

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喘息の症状

“喘息(ぜんそく)”ってどんな病気

喘息(ぜんそく)とは

“息が喘ぐ(あえぐ)”と書く喘息は、のどがゼイゼイ鳴ったり、咳や痰(たん)が出たりして呼吸が苦しくなる病気です。
かつては喘息の原因がわからず、「心の病気」や「伝染病」などと言われていましたが、1960年以降になってようやく、喘息は「慢性的な気管支の炎症」であることがわかってきました。さらに、適切な治療を行うことによって、喘息の患者さんが健やかな日々を送ることが可能になっています。

喘息(ぜんそく)は気管支の慢性的な病気です

長い間、喘息は発作のときだけ気管支に変化が起きる病気と考えられていました。 しかし、様々な研究が進むにつれ、普段から気管支の炎症があるということがわかってきました。また、それと共に「アレルギー反応による全身の病気」という古い常識も改められ、「慢性的な気管支の炎症」と考えられるようになりました。

毎年、2000人以上の方が喘息(ぜんそく)で死亡しています!

厚生労働省の平成20年患者調査によると、喘息の患者さんの数は、全国で88万8千人と推計されています。また、平成22年の人口動態調査によると、毎年減少傾向にあるとはいえ、約2千人の方が喘息により死亡しています。
「喘息で死ぬことはない」と思われている方もいますが、あなどると大変怖い病気ということが、この数字でもおわかりになられると思います。喘息で亡くなった方には、意外にも若い方が多く、また、重症な方に限らず比較的軽い方にも予期しない出来事が起きてしまった、というケースが特徴としてみられます。
しかし、近年、喘息治療は目覚しく進歩してきました。適切な治療を行えば、喘息をコントロールし、健康な人と変わらない生活ができるようになりました。

年次ごとの喘息死亡者数

※出典:厚生労働省 人口動態調査「5-12 死因年次推移分類別にみた性別死亡数及び率(人口10万対)」各年次資料をもとに作成

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喘息の原因

免疫とアレルギー反応

喘息の”ゼエゼエ”は、免疫とアレルギー反応との関係によって起こるといわれています。この関係について少し詳しくご説明します。

1.免疫とは?

身体の中に生まれつきあるものと、そうでないものとを区別し、異物が体内に侵入してきた時にこれを識別・排除しようとする仕組みを免疫といいます。つまり、身体の健康は免疫という防衛軍が守ってくれています。

2.アレルギー体質をもった人とは?

免疫は1度体内に侵入してきた異物に対して、2度と悪さをさせないようにしていますが、この仕組みが過剰に働いてしまう人がいます。このような人のことを、アレルギー体質を持った人といいます。

3.アレルギー反応とは?

ハウスダストやダニ、花粉などは私達の身体にない異物ですが、通常は身体に悪影響を及ぼさないため、免疫システムの攻撃対象にはなりません。
しかし、中には、これらのような害のない物も異物としてとらえ、免疫システムが働いてしまう人がいます。そのために起きてしまうのが、アレルギー反応であり、この過剰な反応を引き起こしてしまう物質を、”アレルゲン”と呼んでいます。

喘息(ぜんそく)には2つのタイプがあります

喘息には、花粉やハウスダストなどのアレルゲンを特定できるアトピー型喘息と、アレルゲンを特定できない非アトピー型喘息の2つのタイプがあります。喘息発作を引き起こす原因は異なりますが、両タイプとも症状、治療方法は同じです。

タイプ アトピー型喘息
(アレルギー性喘息)
非アトピー型喘息
(非アレルギー性喘息)
原因 アレルゲン
(例)ハウスダスト、ダニ、花粉、動物の毛
外界からの刺激
(例)タバコの煙、香水などの強い匂い、風邪などのウイルス、気温・湿度の急激な変化
患者さんの特性 小児喘息はこのタイプが多い 成人喘息はこのタイプが多い

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喘息の検査と診断

喘息(ぜんそく)の診断はこうして行われます

喘息であるかどうかの診断は、専門医による問診が中心となります。特に、喘息の典型的な症状がでていないかどうか、また、家族歴と既往歴なども詳しくお伺いします。 さらに、喘息を診断し、原因を確かめるために次のような検査を行うこともあります。

  • 胸部レントゲン
  • 呼吸機能の検査(ピークフロー値や肺活量などを測定します)
  • 血液の検査
  • 痰(たん)の検査
  • アレルゲン皮膚試験 (喘息を引き起こすアレルゲンを調べるための検査です)
  • 気道過敏性検査

ピークフローメーターって何?

ピークフローメーターって何?

ピークフローメーター(最大呼気流量計)は気管支の広がり具合を調べる検査器具です。その測定値をピークフロー値(最大呼気量)といいます。
気管支が狭くなればなるほど、ピークフロー値は下がります。したがって、患者さんの自覚症状だけでなくピークフロー値を測定することで、病状を客観的に把握することができます。また、定期的にピークフロー値の変化を検査すると、現在の治療薬の効果がどの程度現れているのかもわかります。

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喘息の治療法

喘息(ぜんそく)には2つの基本的な治療方法があります

喘息の原因が解明されて以来、喘息の治療方法も変わりました。以前は発作時の対応を行うための対症療法が中心でしたが、現在では、気管支の慢性の炎症に対しての予防的治療が重視されています。
予防的治療が重視されている理由は、喘息の患者さんは発作がなくても気管支の炎症があるため、炎症を起こさないよう日常的な治療を行うことが大変重要と考えられているからです。

治療方法1.喘息(ぜんそく)発作の誘因を遠ざける

ダニなどに対するアレルギー対策

最も代表的なアレルゲンは室内のほこりで、主成分はダニです。ダニは高温多湿を好み、6月から10月の間は特に注意が必要です。ダニを寄せ付けないためには、

  • 湿気がたまらないよう、部屋の風通しにつとめる
  • 週1回は、ふとんにも掃除機をかける
  • じゅうたんや毛布、羽毛ふとんはできるだけ避け、掃除は頻繁に行う
  • 花粉の飛ぶ時期には外出時のマスクを着用する
  • ペットを室内で飼うのは避ける

などが効果的といわれています。

風邪などのウイルス感染防止

風邪やインフルエンザなどのウイルスに感染すると、喘息の発作が起こりやすくなります。外出から帰った時には、まずうがいをすることが大切です。特に咳だけが1週間以上続く時は、喘息のコントロールができていない可能性がありますので、早めに受診してください。

運動誘発喘息の防止

走ったり、運動したりすると喘息の発作が起こることがあります。これを運動誘発喘息といいます。しかし、喘息の患者さんが運動をしてはいけないということではありません。医師の指導のもとで適切な治療を行えば、運動しても発作は起こりにくくなります。実際に、有名なスポーツ選手の中にも喘息の患者さんがいます。

禁酒

禁酒

アルコールを飲むと発作を起こす人がいます。原因は、アルコールが体内で変化して作られたアセトアルデヒドという物質が気管支を狭くすると考えられています。そのため、アルコールは基本的には止めたほうが無難といえます。

禁煙

禁煙

タバコは喘息の悪化因子です。喘息に限らず、気管支や肺に病気を持った方は禁物です。また、たき火や花火、蚊取り線香などの煙も気管支を刺激しますので、できるだけ避けたほうがよいでしょう。

アスピリン喘息の防止

喘息の患者さんの約10%が、鎮痛解熱剤を使うと発作を起こします。特に、中高年の女性に多いといわれています。これをアスピリン喘息といいます。アスピリンだけでなく、ほとんどの鎮痛解熱剤が問題となります。
アスピリン喘息と診断された方は、主治医が処方した薬以外は絶対に飲まないようにしてください。 なお、高血圧や心臓病などの薬にも咳や喘息を誘発するものがありますので、かかりつけ以外の医療機関で受診する時には喘息持ちであることをきちんと言う必要があります。

その他

その他、身体的な疲労や精神的なストレス、大気汚染や香水などの強い匂い、天候の変化(急に寒くなるとき等)などには十分気をつける必要があります。

治療方法2.薬による治療

薬による治療

喘息は糖尿病や高血圧と同じく慢性の疾患で、厳密には完治しないと言われています。しかし、正しい治療を行うことによって、コントロールすることができ、健康な人と何ら変わりのない日々を過ごすことができます。
一番気をつけなければいけないことは、「喘息が治った」と思いこみ、主治医の了解を得ないで、患者さんが勝手に処方された薬を止めてしまうことです。特に、発病初期の不十分な治療は、その後の経過を悪化させてしまいます。医師を信頼し、指示通りに薬を飲むことが喘息治療の最大のポイントといえます。

主な長期管理薬

種類 特徴
吸入ステロイド薬

現在、喘息治療の第1選択として用いられています。抗炎症作用が、他のどの薬よりも強く、予防的治療の主体となります。
なお、喘息の発作が起きた時には、発作治療薬として経口ステロイド薬が用いられます。

長時間作用性β2刺激薬

気管支を拡張させる作用があり、吸入ステロイド薬と一緒に使用されます。吸入薬、内服薬、貼り薬といった種類があります。

吸入ステロイド薬/長時間作用性β2刺激薬配合剤

上記の吸入ステロイド薬と長時間作用性β2刺激薬を配合した薬です。2つの別々の薬を使う場合より、高い効果が得られると言われています。

ロイコトリエン受容体拮抗薬

ロイコトリエンというアレルギーに関係する物質が働くのを妨げることで、気管支を広げ、気道の炎症を抑えます。通常は吸入ステロイド薬と併用します。

テオフィリン徐放製剤

気管支を広げ、気道の炎症を抑える働きがある薬で、服用後、徐々に溶けていきます。血中濃度が高くなると中毒症状が現れることがあるため、正しく服用するよう注意が必要です。

抗IgE抗体

IgE抗体という物質の働きを抑える、病院で注射される薬です。吸入ステロイド薬や長時間作用性β2刺激薬でコントロールできない、重度の場合に用いられます。

抗アレルギー薬

※ロイコトリエン受容体拮抗薬を除く
アレルギー反応を抑える薬です。メディエーター遊離抑制薬、ヒスタミンH1拮抗薬、トロンボキサンA2阻害・拮抗薬、Th2サイトカイン阻害薬などの種類があります。

出典:『喘息予防・管理ガイドライン2009』より


※治療に当たっては、必ず専門医にご相談ください。

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喘息の治験情報

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治験に参加するメリット

治験は本人の自由意志で参加することが出来ます。

強制ではありません。治験を途中で中止することも可能です。


  • 一般の診察より詳しい検査や診察が行われ、自分の体や病状をより詳しく知ることができます
  • 治療方法の選択肢が増え、効果の期待できる薬や最新の医療をいち早く受けることができます
  • 治験薬や検査にかかる費用の全額(または一部)を製薬会社が負担してくれます
  • 治験薬を服用している間の薬剤費が軽減される場合があります
  • 交通費などの経済的負担を軽減するため、治験期間中は一定の協力費(負担軽減費)が支給されます
  •   (負担軽減費の例:2泊3日×2回⇒8万円)


被験者さんの診察待ち時間を短くするために、治験専門の外来診察が設置される場合があります。

治験に参加することは、病気で苦しんでいる患者さんに役立つことになり、医療の発展という社会貢献につながります。

   

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治験とは?

治験とは?

製薬メーカーが開発した薬剤を医薬品(お薬)として世に出す為には、事前に厚生労働省の承認・認可を得ることが法律で義務化されています。
この承認を得るために行う「治療を兼ねた試験」を「治験(ちけん)」と言います。
治験は、前臨床試験で有効性や安全性を十分に確認した後に、健康な人や対象疾患の患者様に対して実施されます。
私たちが普段使う薬は全て、多くの一般の方々が治験ボランティアとして治験に参加した結果、承認されたものです。
同じ悩みを持つ多くの患者様のためにも「治験」へのご協力をお願いいたします。

治験ボランティアとは?

治験に自発的に参加・協力していただける方を「治験ボランティア」と呼んでいます。
治験参加中は、交通費や検査等の負担を軽減する目的で、負担軽減費が支払われます。

治験の流れ

  • 第1相試験

    健康な成人

    安全性や吸収・排泄等の確認

  • 第2相試験

    少数の患者

    用法・用量の確認

  • 第3相試験

    多数の患者

    既存薬やプラセボ等との比較

  • 製造販売後臨床試験

    より多数の患者

    治験を経て承認された薬が市販された後、より多くの患者様の治療で使われたときの効果や安全性を確認

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