気になる病気の症状・原因・予防
糖尿病は、血液中のブドウ糖(血糖)が多くなり起きる病気です。 放置すると、網膜症や腎障害、神経障害などの合併症が現れることがあります。 1型糖尿病… 膵臓がインスリンをほとんど、あるいは全く作らないために体の中のインスリンの量が絶対的に足りなくなり起こります。 原因は、はっきり分かっていませんが、ウイルス感染などをきっかけに起こることもあります。 2型糖尿病… インスリンの量が不十分で起こる糖尿病と、肝臓や筋肉などの細胞がインスリン作用をあまり感じなくなるために、ブドウ糖がうまく取り入れられなくなり起こります。 糖尿病により、以下のような症状がみられます。 のどの渇き、尿の量・回数が多い、全身がだるく、疲れやすい、 目がかすむ(視力障害)、立ちくらみ、手足のしびれの症状がある方は要注意です。
糖尿病とは、すい臓から分泌されるインスリン(血糖を調整するホルモン)が不足したり、インスリンの働きが悪かったりするために、血糖値と呼ばれる血液中のブドウ糖濃度が増え、身体にさまざまな障害が起きる病気です。
平成12年に内閣府が実施した、「生活習慣病に関する世論調査」によると、高血圧や脂質異常症(高脂血症)に比べ、糖尿病は「怖い病気」ととらえる意識が強い、という結果が出ています。
しかし、発病の初期は自覚症状がないため、病気と気づかずそのまま放置しがちです。そのため、網膜症や神経障害などの重大な合併症を招き、日常生活行動 (ADL)や生活の質(QOL)の低下を招きます。
一方で、糖尿病は自己管理病ともいわれます。糖尿病と診断されても、血糖値のコントロールができれば普通の健康人と何ら変わりのない生涯を過ごすことができます。
怖い病気とは思わない | 少し怖い病気だと思う | 非常に怖い病気だと思う | わからない | |
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糖尿病についての感じ方 | 5.8% | 21.4% | 71.0% | 1.9% |
高血圧についての感じ方 | 7.8% | 37.6% | 52.5% | 2.1% |
脂質異常症(高脂血症)についての感じ方 | 7.7% | 38.9% | 37.6% | 15.8% |
「生活習慣病に関する世論調査」(平成12年2月内閣府)より
糖尿病は放置しておくと、典型的な自覚症状が現れ、合併症へと確実に進みます。
食事をすると、食べ物のブドウ糖やアミノ酸が身体に吸収されますが、それとタイミングを合わせて、すい臓からインスリンと呼ばれるホルモンが分泌されます。
インスリンは、吸収されて血液に入った食べ物のブドウ糖を筋肉組織に運び、エネルギーとして使われるのを助け、血糖が一定値以上に上昇しないようにしています。
ですから、すい臓から分泌されるインスリンの量が減少すると、筋肉組織に運ばれなかったブドウ糖が血管内に留まり、血糖値を高めてしまいます。
また、インスリンは正常に分泌されているにもかかわらず、何らかの原因でインスリンが本来の役割を果たさなくなりこともあります。
このように、インスリンの分泌や働きが悪くなると、糖尿病になります。
糖尿病は、インスリンの分泌状態によって1型と2型の2つに分けられます。
1型糖尿病は、インスリンを作る細胞が破壊されインスリンがほとんど作られなくなるもので、小児や若い人に多くみられます。
2型糖尿病は、インスリンの分泌量が少なくなったり、インスリンの働きが悪くなったりするものです。生活習慣が要因と考えられ、中高年に多くみられます。日本人の患者さんの95%は2型糖尿病です。
1型糖尿病 | 2型糖尿病 | |
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発症年齢 | 子どもや若年の成人に多い | 中高年に多い |
発症のスピード | 急激に現れる | ゆっくりと現れる |
発症の要因 | インスリンを分泌する細胞が破壊されるために起きる | 遺伝的要因に加えて、運動不足、食べ過ぎ、肥満、ストレスなどの生活習慣が重なることにより、発症する |
体型 | やせ型に多い | 肥満型に多い |
糖尿病性昏睡 | 起しやすい | まれにある |
経口血糖降下剤の効果 | ない | ある |
インスリンの分泌 | 著しく低下、または全くない | 比較的保たれている |
治療の方法 | インスリン療法を使う | 食事療法と運動療法から始め、血糖が下がらない場合には、薬物療法をとリ入れる |
日本人の患者の割合 | 全体の5% | 全体の95% |
2型糖尿病は、もともとその人が持っている遺伝的体質に加え、インスリンの働きを悪くする日常生活の積み重ねが発症の引き金になります。
血糖値は高すぎても低すぎても身体に支障がでます。
血糖値が高すぎる状態が続くと、糖尿病の症状が現れ、逆に低すぎると、冷汗・動悸・手足のふるえなど、低血糖の症状が起きることがあります。
測定値 | 測定内容 |
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早朝空腹時血糖値 | 前日の夜から10時間以上絶食した状態で、朝に測定した血糖値です。 |
75gOGTT (75g経口ブドウ糖負荷試験) | 早朝空腹時血糖値の測定後にブドウ糖液を飲んで、2時間後の変化した血糖値です。 |
随時血糖値 | 時間の設定をせずに測定した血糖値です。 |
HbA1c値 | 1~2ヶ月前から検査当日までの平均的な血糖値です。 |
以上の検査の結果、糖尿病と診断された方は、血糖値をコントロールするため食事療法から治療を始めます。
糖尿病の治療には、食事療法、運動療法、薬物療法がありますが、その中でも、食事療法は糖尿病治療の基本となるものです。
初期の糖尿病は、食事療法をきちんと行うことで進行を防ぐことができます。
食事療法を始める前には必ず医師の指示に従い、自分にあったものを行うことが大切です。
糖尿病の食事療法において、最も大事なことは適正な体重を維持することです。標準体重は、身長との関係で簡単に算出されますので、まず自分自身の標準体重を確認します。つぎに、標準体重を実現するための、1日の適正なエネルギー量を算出し、食事療法の中にとりいれます。
自分の標準体重を算出してみましょう!
身長(m)×身長(m)×22=標準体重(kg)
例)身長170センチの人の適正な体重は?
答え)1.7×1.7×22=63.6kg
標準体重×体重1kgあたりの必要エネルギー量(約30kcal)
例)身長170センチの人の適正なエネルギー量は?
答え)63.6×30=1908kcal
※体重1kgあたりの必要エネルギー量は、1日の生活活動によって25~35kcal程度の幅があります
運動療法は、食事療法と並ぶ糖尿病治療の中心となるものです。特に、日本人の95%を占める2型糖尿病の治療には、食事療法とともに欠かせません。
運動療法を始める前には、必ず、血糖や心電図、眼底検査などのメディカルチェックを受ける必要があります。人によっては、運動が病状を悪化させるため、運動をしないほうが良い場合もあります。
運動療法も食事療法と同様に必ず医師の指示に従い、自分にあったものを行うことが大切です。
インスリンを節約することができます | 運動によって、インスリンを使うことなしに糖質を利用することができます。 |
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血液の循環を促進します | 末梢への血流がよくなり、手足のしびれやこむら返りなどの神経障害が改善されます。 |
中性脂肪やコレステロールを減らします | 動脈硬化の予防になります。 |
血圧を下げます | 心筋梗塞や脳疾患などの予防になります。 |
足腰を強くして老化を防ぎます | 食事だけの減量で起きやすい、筋肉や骨の衰えを防ぎます。 |
ストレスを解消します | スポーツに熱中することにより、気分爽快になりストレスを発散することができます。 |
運動療法は肥満の解消にもなり、食事療法と併用することにより相乗効果が現れます。適度な運動を行うと、からだが血液中のブドウ糖をエネルギーとして消費するだけでなく、インスリンの働きが活発になるので血糖値が下がります。 ウォーキングや階段の昇り降りなどだけでも十分な効果が得られます。
なお、運動療法も食事療法と同様に必ず医師の指示に従い、自分にあったものを行うことが大切です。
食事療法と運動療法で十分な効果が得られなかった時には、薬による治療を開始します。
薬物療法を始めても、食事療法と運動療法の併用は続ける必要があります。
近年、糖尿病の治療薬は日進月歩が著しく、患者さんにあった治療薬の選択の幅が広がっています。しかし、糖尿病の原因を取り除いて完全に治してしまう薬はありませんので、食事療法と運動療法そして薬物療法を三位一体として血糖値をコントロールすることが大切です。
※治療に当たっては、必ず専門医にご相談ください。
治験は本人の自由意志で参加することが出来ます。
強制ではありません。治験を途中で中止することも可能です。
(負担軽減費の例:2泊3日×2回⇒8万円)
被験者さんの診察待ち時間を短くするために、治験専門の外来診察が設置される場合があります。
治験に参加することは、病気で苦しんでいる患者さんに役立つことになり、医療の発展という社会貢献につながります。
製薬メーカーが開発した薬剤を医薬品(お薬)として世に出す為には、事前に厚生労働省の承認・認可を得ることが法律で義務化されています。
この承認を得るために行う「治療を兼ねた試験」を「治験(ちけん)」と言います。
治験は、前臨床試験で有効性や安全性を十分に確認した後に、健康な人や対象疾患の患者様に対して実施されます。
私たちが普段使う薬は全て、多くの一般の方々が治験ボランティアとして治験に参加した結果、承認されたものです。
同じ悩みを持つ多くの患者様のためにも「治験」へのご協力をお願いいたします。
治験に自発的に参加・協力していただける方を「治験ボランティア」と呼んでいます。
治験参加中は、交通費や検査等の負担を軽減する目的で、負担軽減費が支払われます。
安全性や吸収・排泄等の確認
用法・用量の確認
既存薬やプラセボ等との比較
治験を経て承認された薬が市販された後、より多くの患者様の治療で使われたときの効果や安全性を確認
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