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慢性関節リウマチ

気になる病気の症状・原因・予防

関節リウマチは、関節に炎症が起き、痛みや変形などの症状が現れる病気です。皮下結節や心膜症などの合併症が起きることもあります。薬物療法やリハビリテーション、外科手術などで治療します。

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慢性関節リウマチの症状

関節リウマチの症状は

関節リウマチの症状

関節リウマチでは、全身の関節に炎症が起こることが知られていますが、初期の頃には関節以外の症状、倦怠感、食欲不振、体重減少、発熱といったものがみられます。その後、朝の手足のこわばり、手指関節の炎症が現れてきます。さらには、全身の関節痛、腫れ、こわばり、しびれなども現れてきます。
この中の関節痛は、左右対称性(例:右手が痛い場合は、左手も痛くなる)になって現れることも関節リウマチの特徴的な症状の一つです。そして、最終的に関節の変形も起こってきます。こうなると、患者さんは日常生活にも支障が出てきます。
また、関節リウマチの症状は、よくなったり悪くなったりを繰り返しながら、徐々に悪化していくこともわかっています。これらの背景には、精神的な面も大きく関係しているため、患者さん本人だけではなく、ご家族など周囲の方の理解も必要となってきます。

手足の指の変形

関節リウマチで関節の炎症が長期間続くと、関節組織や軟骨が破壊されて、筋肉が硬くなったり、腱が断裂したりして、リウマチ特有の変形が手足に起こってきます。
これらの症状は、日常生活に支障をきたすだけでなく筋力の低下も招きますので、筋力維持のための訓練をすることが必要になってきます。

関節リウマチの合併症

関節リウマチは、全身の関節に炎症が起きるだけでなく、様々な合併症を伴いやすい病気です。これらの合併症を早期に発見し治療するためには、ちょっとした症状の変化を見逃さず、また、定期的な診察と検査を受けることが大切です。

合併症 症状
皮下結節 肘や後頭部、お尻などの外から力が加わりやすいところに大豆ぐらいの大きさの硬いしこりが皮膚の下に出る病気です。痛みも痒みもありません。
心膜症 心臓を包む膜(心膜)に炎症が起きる病気です。
胸膜炎 肺を包む膜(胸膜)に炎症が起きる病気です。
肺線維症 肺の組織が硬くなったり、萎縮したりする病気です。
上強膜症 白目が赤く充血する病気です。
末梢神経炎 手足がしびれる病気です。
シェーグレン症候群 涙腺や唾液腺に炎症が起き、涙や唾液が出にくくなる病気です。
アミロイドーシス アミロイドという特異な蛋白が腎臓や胃などの組織に沈着する病気です。
貧血 血液中の赤血球や血色素が減少した状態で、めまいなどを起こす病気です。

関節リウマチの合併症

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慢性関節リウマチの検査と診断

慢性関節リウマチの検査

慢性関節リウマチの検査

関節リウマチが疑われた場合、以下のような検査を行います。これらの検査結果と身体症状から関節リウマチの診断が下された場合には、患者さんの症状にあった治療方針を検討し治療をはじめます。
また、これらの検査は、服用薬の効果判定や副作用の現れ方のチェックを行うときにも実施されます。

検査項目

検査する項目 検査でわかることなど
赤血球数 酸素の運搬の役目を担っている赤血球が減少すると酸欠状態になって貧血を起こします。逆に、赤血球数が増えすぎると血液が濃くなって流れにくくなり血管が詰まりやすくなります。
白血球数 体内に細菌などの異物が侵入したときや白血病などのときに白血球が増加します。逆に、骨髄の働きが低下したときや脾臓(ひぞう)の働きが高まったとき、薬剤の副作用で骨髄の機能障害が起こったときには減少します。
ヘモグロビン 赤血球の成分であるヘモグロビンは赤血球の増減と同じように変動します。減少しているときは貧血、増加しているときは多血症の疑いがあります。
赤沈(せきちん) さまざまな病気で異常値を示すため、これだけでは診断はできませんが、病気のスクリーニング検査として行われます。関節リウマチでも病状とかなり相関するため、よく行われる検査の一つとなっています。
GOT(AST) 心臓、肝臓、骨格筋、腎臓などの細胞に異常があると、増加する酵素です。肝臓障害、心筋梗塞、溶血などの診断の手がかりになります。
GPT(ALT) 肝細胞に異常があると数値が増加する酵素です。肝臓・胆道系の病気の診断に欠かせない検査です。
γ-GTP 肝臓や胆道系の異常で胆汁の流れが悪くなると数値が高くなる酵素です。アルコール性肝障害のとき、著しく上昇します。
クレアチニン 体内でエネルギーとして使われた蛋白(たんぱく)の老廃物です。排泄に障害があると数値が上昇し、腎臓の働きが低下していることをあらわします。
CRP 体内に急性の炎症や組織の損傷があるときに血液中に増える蛋白(たんぱく)の一種です。炎症や組織の損傷、病気の重症度などを見るときに行われます。
RAテスト 血清中のリウマトイド因子を調べる検査です。検査結果で陽性なら体のどこかに免疫異常があると考えられますが、この検査だけでは関節リウマチの診断はできません。
骨・関節X線検査 関節リウマチの診断や病気の進行度の判定を行うために行われる検査です。

関節リウマチの診断

関節リウマチの診断

一度すり減ってしまった関節軟骨は、もとの完全な形に修復されることはありません。したがって、変形性膝関節症の治療は、痛みをとり、膝が完全に曲がりきらない状態や伸びきらない状態を改善して、膝の機能を高めることを目指して行われます。
治療方法は、症状の進行度や痛みの程度によって異なりますが、薬物療法、温熱・冷却療法、運動療法の3つの療法が基本となります。これらの治療でも痛みが緩和されない場合に外科的療法を行います。

関節リウマチの診断(2010 ACR/EULAR基準)

2010年に発表された基準では、4群12項目のスコアリングによって診断を行います。

診断の対象となる患者さん

少なくとも1つ以上の関節が腫れており(滑膜炎)、SLE、乾癬、痛風など他の疾患では説明できない状態がある方

スコアリング(次の項目A~Dを合計する)
A.罹患関節
大関節1ヶ所
*大関節:肩、肘、股、膝、足の関節
0点
大関節2~10ヶ所 1点
小関節1~3ヶ所
*小関節:PIP、MCP、2-5MTP、手関節
2点
小関節4~10ヶ所 3点
11ヶ所以上(1ヶ所以上の小関節)
*ここには、顎・胸鎖・肩鎖関節が含まれる
5点
B.血清学的検査
RF(-)、抗CCP抗体(-)が共に陰性 0点
RF、抗CCP抗体のいずれかが低値陽性 2点
RF、抗CCP抗体のいずれかが高値陽性
*高値:正常上限の3倍を超えるもの
3点
C.急性期反応物質
CRPとESRのどちらも正常 0点
CRP、ESRのいずれかが異常 1点
D.症状が持続する期間
6週未満 0点
6週以上 1点

*これらの分類で6点以上のスコアが出た場合、RA(Rheumatoid arthritis=関節リウマチ)と診断してよい

1993厚生省早期関節リウマチ診断基準

下記は1993年に厚生省が定めたリウマチ診断基準です。この方法では骨変化が出る前に診断する必要があるため、早期診断には向かないものでした。その後いくつかの改訂を経て、2010年にスコアリング型の診断基準が採用されました。

  1. 朝のこわばりが 15 分以上続く(≧ 1週)
  2. 3つ以上関節域(*1)が腫脹している**(≧ 1週)
  3. 手関節またはMCP またはPIP または足関節またはMTP の腫脹が認められる**(≧ 1週)
  4. 対称性腫脹(*2) (≧ 1週)
  5. リウマトイド因子
  6. 手または足のX線変化、軟部組織紡錘状腫脹と骨萎縮、または骨びらんが確認される

などが原因となります。

以上の6 項目中4 項目以上あてはまれば早期RA と分類(診断)してよい。
*1 14 の関節域すなわち左右それぞれのPIP、MCP、手関節、肘関節、膝関節、足関節、MTP のほか、左右のDIP、肩関節を含む18 関節域のうち3つ以上
*2 関節炎による腫脹であり、骨過形成による関節腫大ではないこと
[除外項目] 全身性エリテマトーデス、混合性結合組織病、Behçet 病、乾癬性関節炎、強直性脊椎炎

引用元:九州医療センター整形外科・リウマチ科「新しいRA 診断基準と鑑別診断」

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慢性関節リウマチの治療法

関節リウマチの治療法

関節リウマチの治療は、局所の関節の治療だけでなく全身的な治療が必要です。その治療方法は、基礎療法、薬物療法、リハビリテーション療法、手術療法と大きく4つに分類され、これらをうまく組み合わせることで痛みを抑え、なおかつ病気の進行をくい止めることを目標に治療を行います。現在は完全に治すことはできなくても、それに近い状態(寛解)に持ち込むことはできるようになってきています。
4つの治療法の中で、一番大切なのが基礎療法です。これは、患者さん自身が病気を正しく知り、安静と運動、食事など、毎日の暮らしの中で守るべきことを しっかり守って生活していく療法です。関節リウマチは1度発病したら、長く付き合っていかなければならない病気です。そのため、患者さん自身の気力、 生活の仕方がこの病気の治療の要となってきます。

基礎療法

正しい知識を知りましょう

正しい基礎療法

関節リウマチは、一人ひとり症状も病気の進行度合いも異なります。自分自身のリウマチの性格を知って、どういう生活を心がければいいのかを理解することが大切です。
また、リウマチには「だるい」「疲れやすい」などの全身症状があるということを、ご家族や職場の同僚など、周囲の人々にも理解してもらうことが大切です。せっかく、自分の状態を把握し、病状にあった生活をしていても、病気のことを知らない周りの人から怠けていると思われてしまうこともあるからです。

適度な運動と安静も必要です

関節リウマチの場合、関節が痛いからといって寝てばかりいては、関節が固まってしまい、かえって日常生活に支障が出てしまいます。そのため、適度な運動を毎日することが大切になります。
しかし、関節に痛みや腫れ、熱っぽさを伴う炎症があるときや、発熱や体重減少などの症状があるときは安静が必要となります。こうした状態のときに無理をす ると、症状が悪化してしまうことになりかねませんので、運動と安静のバランスを考え、個人にあったものを医師や理学療法士に相談しながら行っていく必要があります。

食生活は規則正しく、そしてバランスの良いものを

関節リウマチだからといって、食べてはいけないものはありません。しかし、肥満は下半身の負担になりますので、 過食は避け、標準体重を守ることが大切です。なお、貧血のある方は、蛋白質を多く摂るとともに、鉄分の多い食品(レバー、卵黄、ほうれん草、うなぎなど) を多く摂るように心がけてください。

冷えや湿度にも気を使って

冷えや湿度にも気を使って

体が冷えてしまったり、湿度が高くなったりするとリウマチを悪化させる誘引になることがあります。冬の防寒は当然のことですが、夏のクーラーにも長くあたらないように気をつけ、外出時には保温用のサポーターや大判のスカーフを持って出かけることをおすすめします。
入浴は、身体を温め血液の循環をよくし痛みも軽くなるので、リウマチの患者さんにはいいのですが、入浴後はしっかりと身体を拭き、水気を残さないようにすることが大切です。また、髪の毛もドライヤーで早めに乾かすように心がけましょう。

薬物療法

薬物療法

関節リウマチの治療に用いられる薬には、いくつかの種類があります。体質や病気の状態、それぞれの種類の特徴などに応じて選ばれ、治療に使われます。

関節リウマチの治療に使われる代表的な薬
分類 特徴 副作用
非ステロイド系抗炎症薬(NSAIDs) 即効性があり、痛みがすぐに和らぎます。リウマチの発病初期から関節の変形が進んだ晩期までどの段階でも処方されます。 胃腸障害(特に胃潰瘍・十二指腸潰瘍)には注意が必要です。
抗リウマチ薬
(DMARDs)
免疫異常を抑え、外から体内に侵入するウイルス等を攻撃する作用が高まります。効果が現れるまでに時間がかかります。 胃腸障害、発疹、口内炎などの副作用があります。
免疫抑制薬 抗リウマチ薬よりも強く、免疫異常を抑える作用があります。 骨髄抑制、胃腸障害、感染、奇形、腫瘍の危険性などの副作用があります。
ステロイド薬 DMARDsの効果が現れるまで待てない病状や、DMARDsでの効果が得られなかったときに投与を検討します。 胃腸障害、満月様顔貌、にきび、肥満、月経不順、多毛、骨折、白内障などの副作用があります。
生物学的製剤 炎症を悪化させる、サイトカインと呼ばれる蛋白質の働きを抑えることで、炎症を鎮めます。 肺炎、結核などの感染症や、アレルギー反応などが起きることがあります。

リハビリテーション療法

関節リウマチを発病した初期の段階からリハビリテーションを行います。病気の性質上、日常生活の動作に支障をきたしやすいため、それを予防することが実施する目的の一つです。
関節リウマチの患者さんに行うリハビリテーションの指導は、2つ(1.日常生活の指導、2.訓練の指導)に分けられます。

リハビリテーション療法

日常生活の指導

症状の重症度に関係なく、日常生活全般にわたって、全身及び各関節にかかる負担を軽減し、無駄な動作を極力避けるような生活を送るよう指導します。
これには、生活パターン・生活環境の改善及び関節を保護する動作の指導などがあります。

訓練の指導

これは、日常生活動作を高めるため、障害となっている関節の運動性を改善することが目的です。どのようなメニューで行うかは、個人によって異なってきますので、専門医師の指導下で行うことが必要になります。
全ての患者さんに共通していることは、調子が良い日も悪い日も、痛みや腫れの強い日は回数を少なめにし、自分の力でできる範囲の運動を行うことが大切になります。

手術療法

上記の治療を行っても、症状の改善が認められない場合には最終手段として外科的療法を行います。
手術をすれば痛みがなくなり、動けるようになります。その結果、活動範囲が広がり生活が明るくなり物事を前向きに考えられるようになります。
ただし、手術にはメリットもあればデメリットもあります。患者さんの年齢、体力、どこまでの回復を望んでいるのかなど、すべてを総合して、適切な手術を選択します。

手術の種類
名称 特徴
滑膜切除術 薬物による保存療法が無効で、長期間にわたって痛みが持続している場合に行う手術です。滑膜を取り除けば、痛みや腫れも治まり、自立した日常生活を過ごせるようになる場合もありますが、膝や股など体重のかかる部位の関節に関しては再発することもあります。
関節固定術 壊れた関節を一つの骨にしてしまうときに行う手術です。指や手首、足首など固まって動かなくても支障が比較的少ない関節に対して行います。動かなくなるため、痛みが全くなくなり安定感もありますが、不便さはまぬがれません。
人工関節手術 壊れてしまった関節の機能を再建するための手術です。膝や股関節の手術が多く行われています。この手術をしたら、翌日から正常な関節に戻るわけではなく、しっかりとリハビリテーションを行うことが必要です。なお、人工関節の寿命は約20年といわれています。
腱形成術 手の指の腱が切断してしまったときに行う手術です。小指側から切れることが多く、握る動作や顔を洗う動作ができなくなるために、腱をつなぎ合わせる手術を行います。

※治療に当たっては、必ず専門医にご相談ください。

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慢性関節リウマチの治験情報

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治験に参加するメリット

治験は本人の自由意志で参加することが出来ます。

強制ではありません。治験を途中で中止することも可能です。


  • 一般の診察より詳しい検査や診察が行われ、自分の体や病状をより詳しく知ることができます
  • 治療方法の選択肢が増え、効果の期待できる薬や最新の医療をいち早く受けることができます
  • 治験薬や検査にかかる費用の全額(または一部)を製薬会社が負担してくれます
  • 治験薬を服用している間の薬剤費が軽減される場合があります
  • 交通費などの経済的負担を軽減するため、治験期間中は一定の協力費(負担軽減費)が支給されます
  •   (負担軽減費の例:2泊3日×2回⇒8万円)


被験者さんの診察待ち時間を短くするために、治験専門の外来診察が設置される場合があります。

治験に参加することは、病気で苦しんでいる患者さんに役立つことになり、医療の発展という社会貢献につながります。

   

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治験とは?

治験とは?

製薬メーカーが開発した薬剤を医薬品(お薬)として世に出す為には、事前に厚生労働省の承認・認可を得ることが法律で義務化されています。
この承認を得るために行う「治療を兼ねた試験」を「治験(ちけん)」と言います。
治験は、前臨床試験で有効性や安全性を十分に確認した後に、健康な人や対象疾患の患者様に対して実施されます。
私たちが普段使う薬は全て、多くの一般の方々が治験ボランティアとして治験に参加した結果、承認されたものです。
同じ悩みを持つ多くの患者様のためにも「治験」へのご協力をお願いいたします。

治験ボランティアとは?

治験に自発的に参加・協力していただける方を「治験ボランティア」と呼んでいます。
治験参加中は、交通費や検査等の負担を軽減する目的で、負担軽減費が支払われます。

治験の流れ

  • 第1相試験

    健康な成人

    安全性や吸収・排泄等の確認

  • 第2相試験

    少数の患者

    用法・用量の確認

  • 第3相試験

    多数の患者

    既存薬やプラセボ等との比較

  • 製造販売後臨床試験

    より多数の患者

    治験を経て承認された薬が市販された後、より多くの患者様の治療で使われたときの効果や安全性を確認

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